父はがんばっている
山場なんてなんのそので
からだの中にある
全てを燃やして
生き抜いている
眉間に寄っていたしわも取れて
少しだけ目を開けて
穏やかな顔で
ただただ大きく早く
呼吸をしている
ざわざわとしていた山場は通り過ぎ
また父とケンチャンと私だけの夜は
超夜型人間のケンチャンが本領を発揮して
私は安心してたくさん眠ることができた
今日は看護師さんが
点滴をしに来てくれるだけの
静かな一日
今の父はもう
山を登ったり降りたりはしない
ただただ静かに
全てを燃やし尽くすまで
全てを燃やし尽くすまで
生きるんだ
母の最後の2ヶ月半の日々も→☆
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